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BLUE ROSE

マイ・ビッグ・ファット・ウェディング



2002年4月19日、アメリカで公開時には108館が、数ヵ月後には2016館に!?
公開されてからクチコミで一気に広がり、興行ランキングにも長期ランクイン。
ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、ブラジル、アルゼンチン、
イギリス、ギリシャ、メキシコ・・・と公開各国で1位を記録。
ほとんど無名の俳優ばかりの地味で低予算のインディペンデント映画。
それが、1999年の「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」を超える興行成績を記録し、
恋愛映画として、1990年に大ヒットした「プリティ・ウーマン」さえ凌ぎ、
「タイタニック」に次ぐという、とんでもない快挙を成し遂げています。
原題は「マイ・ビッグ・ファット・グリーク・ウェディング」。


≪ストーリー≫
ギリシャ料理の自営レストランを手伝っているトゥーラは、真面目だけど暗く身なりもさえない。
彼女はギリシャ系アメリカ人で、家長である父は何かとギリシャの教えを押し付け、
何かと自由も束縛されて退屈な日々を送っている。
移民してきたトゥーラの家族は、核家族化するアメリカ社会とは反対に、
家族と親戚が助け合い、ダイエットどころか常に食べることに生きがいを見出している。
古い考え方に凝り固まった父は、女に教育は必要なく、ギリシャ人の青年と結婚して、
ギリシャ人の赤ちゃんを産んで、死ぬまで家族の食事を作りつづけることがすべてと・・・。
何とか、母の手助けを借りて大学の講座に通うことになったトゥーラは、
化粧や髪型、服装などのオシャレをするようになり、親戚の経営する旅行代理店で仕事も始めた。
以前、自営レストランでも見かけたことのある高校教師のイアンと偶然出会ったトゥーラは、
イアンからデートの誘いを受けながら心の中で迷い、戸惑っていた。
それは、彼が他でもない非ギリシャ系アメリカ人だったから。
心優しいイアンはトゥーラの家族、ギリシャの習慣に馴染もうとするのだが・・・。


このインディ作品がどうしてヒットしたのか、何となくわかるような気がします。
まず、何はともあれ単純に楽しめること、笑えること! (=^^=)V
日本でも地方によって習慣が違ったりして慌てたり、失敗をしたり、驚いたりすることがありますが、
比較にもならないほど違う、ギリシャ(グリーク)とアメリカの文化・習慣の違いにビックリ!
また、大スターを起用せず、すごく身近でちっともキレイでもスマートでもない、
悩み多き主人公に対して、どこか親しみを抱くことができました。
また、今は家族や親戚、古き良き習慣というものから遠ざかりつつありますが、
人として誰もが持つ、家族をはじめとする人と人の結びつきや温もり、
一人になりたいと思いながら、誰かに気に掛けてもらえなければ寂しかったり、
そんな、心の奥の大切なところに触れている作品であると思います。

主役のトゥーラには、ほとんど無名のニア・ヴァルダロス。
驚くべきは、この作品はニアの体験=実話なのです。
映画化の前に、ロサンゼルスで一人舞台としてニア自身が演じていたそうです。
話題を呼んだその舞台には著名人や大勢の観客、そして映画化という話も・・・
舞台を観たお母さんがギリシャ人でもあるリタ・ウィルソンが作品に惚れ込み、
ご主人であるトム・ハンクスに話を持ちかけ、2人そろってプロデュースに名乗りをあげ、
映画化が決まったということです。
また舞台を観たトム・ハンクスは、次のような内容で手紙をニアに送ったそうです。
“いかにギリシャ人女性と結婚するか、ギリシャ家庭に溶け込むか。
 その結婚によって自分の人生がいかに変わったか。”
ちなみに他からの映画化の話には、主演を有名女優に、ギリシャではなくメキシコにと
いろいろな注文が付けられたそうです。
あるがままを映画にしたいというトム・ハンクス夫妻のバックアップや、
ロケ地のカナダのトロントの地元の人たちのボランティアによってできあがった作品なのです。

共演の心優しき恋人のイアンには「ボルケーノ」「ディナーラッシュ」のジョン・コーベット。
最近では「セレンディピティ」にヒロインの婚約者のミュージシャン役で出演していました。
また、トゥーラのお父さんにはベテランのマイケル・コンスタンティン。
このお父さんが「世の中の全ての言葉はギリシャ語が語源になっている!」と、
映画の中でいろいろなことを教えてくれるのもちょっとお楽しみ。
ちなみに“キモノ”(着物)の語源も・・・。
そしてアイドルグループ、インシンクのジョーイ・ファトーンがいとこ役で出ています。、
他にも、次から次へと個性的な濃~い共演者がたくさん登場します。(笑)

すでに、アメリカでTVのコメディドラマ化の話も進んでいるとか・・・。

(2003.4.29 ★★★☆☆)


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